歯医者奮闘記①
私は病院が嫌いだ。
その中でも歯科は特に嫌いだ。
昔から定期的にクリーニング等、
歯医者と無縁の生活というわけではなかったが、
ありがたいことに歯並びに不満がある人生でもなく、
歯医者とはそれなりの距離を保ってきた。
そんな私がここ数年、歯医者との関係が深くなってしまったのは、
間違いなく上に2本生えた親知らずのせいである。
生えてきた当初はまっすぐ伸びてきていることもあり、
所詮口内の一番奥で息をひそめるしかできないイレギュラーな歯くらいにしか思っていなかった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ある日、ヤツは突然猛威を振るってきた。
それは引くほどデカい口内炎だった。
あまりのデカさと痛みで口が閉じず、
気を抜けば涎がダラダラ零れてしまうゾンビ状態。
流石にこのままでは生活に支障が出ると、泣く泣く私は近所の歯医者を予約した。
そこで私の口内を見てもらったところ、
悪さをしているのは、気にも留めたことがなかった親知らず。
どうやら私の親知らずは上にしか生えていないため、
下から支える歯がなく、知らぬ間にグングンと伸び続け、
気が付けば逆ドラキュラのように、奥歯だけが長い生き物が爆誕していた。
コイツが私の頬の内側を削り、
口も閉じれない程のサイズをした口内炎になっていたのだ。
今後もこんな状態になるのではたまったもんじゃない!と、
人生初、親知らずを抜く決意を固めた。
しかし口内炎があっては抜くのが難しい。
なのでまずは口内炎を退治しましょうと、薬をもらい2週間歯医者に通った。
無事、口内炎は小さくなっていき、
ゾンビ状態が解除され、いつもの生活に戻った。
戻ったことに安心し、私は次の歯医者の予約を忘れた。
そう、このタイミングで抜かれるはずだった親知らずとの、
長い付き合いは、このミスから始まった─。
★②へ続く
ria

