私は病院が嫌いだ。

その中でも歯科は特に嫌いだ。

昔から定期的にクリーニング等、

歯医者と無縁の生活というわけではなかったが、

ありがたいことに歯並びに不満がある人生でもなく、

歯医者とはそれなりの距離を保ってきた。

そんな私がここ数年、歯医者との関係が深くなってしまったのは、

間違いなく上に2本生えた親知らずのせいである。

生えてきた当初はまっすぐ伸びてきていることもあり、

所詮口内の一番奥で息をひそめるしかできないイレギュラーな歯くらいにしか思っていなかった。

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ある日、ヤツは突然猛威を振るってきた。

それは引くほどデカい口内炎だった。

あまりのデカさと痛みで口が閉じず、

気を抜けば涎がダラダラ零れてしまうゾンビ状態。

流石にこのままでは生活に支障が出ると、泣く泣く私は近所の歯医者を予約した。

そこで私の口内を見てもらったところ、

悪さをしているのは、気にも留めたことがなかった親知らず。

どうやら私の親知らずは上にしか生えていないため、

下から支える歯がなく、知らぬ間にグングンと伸び続け、

気が付けば逆ドラキュラのように、奥歯だけが長い生き物が爆誕していた。

コイツが私の頬の内側を削り、

口も閉じれない程のサイズをした口内炎になっていたのだ。

今後もこんな状態になるのではたまったもんじゃない!と、

人生初、親知らずを抜く決意を固めた。

しかし口内炎があっては抜くのが難しい。

なのでまずは口内炎を退治しましょうと、薬をもらい2週間歯医者に通った。

無事、口内炎は小さくなっていき、

ゾンビ状態が解除され、いつもの生活に戻った。

戻ったことに安心し、私は次の歯医者の予約を忘れた

そう、このタイミングで抜かれるはずだった親知らずとの、

長い付き合いは、このミスから始まった─。

★②へ続く

ria