前回に続いて♪

ちなみに去年あげた最高本10選はこちら↓↓↓

1.『三体(三体シリーズ)』劉慈欣

2.『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬

3.『ストーンサークルの殺人』M・W・クレイヴン

4.『有限と微小のパン』森博嗣

5.『博士の愛した数式』小川洋子

6.『イン・ザ・プール(伊良部シリーズ)』奥田英朗

7.『自由研究には向かない殺人』ホリー・ジャクソン

8.『火車』宮部みゆき

9.『ロスト』呉勝浩

10.『異常(アノマリー)』エルヴェ・ル・テリエ

今回も2冊ご紹介★

③ストーンサークルの殺人/M・W・クレイヴン

◆あらすじ

英国カンブリア州に点在するストーンサークルで次々と焼死体が発見された。犯人は死体を損壊しており、三番目の被害者にはなぜか停職中の国家犯罪対策庁の警官ワシントン・ポーの名前と「5」と思しき字が刻み付けられていた。身に覚えのないポーは処分を解かれ、捜査に加わることに。しかし新たに発見された死体はさらなる謎を生み、事件は思いがけない展開へ……英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールドダガー受賞作。

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「海外ミステリ気になってるんだけど、おすすめある?」

と聞かれれば、真っ先にこやつを勧めるようになった。そのくらい大好きな作品。

まず第一に読みやすすぎる。

海外ミステリあるあるだが、読むペースが落ちる理由として、

登場人物の名前、役職を中々覚えられないという難点がある。

ただでさえカタカナ&めちゃ長だというのに、

「エドワード」を「テッド」、「キャサリン」を「ケイト」、「マイケル」を「ミッキー」と、

省略したあだ名で呼ぶのだ。日本人からすれば、もう別人である。

「ジョン」を「ジャッキー」と呼んだ日にゃ、「なぜ長くなった!?」と頭を抱えた。

しかしこの本ときたら!驚くほどスルスルと頭に入ってくるではないか!

沸点は低いがいじめや不正は見逃せず、正義に熱い男、ワシントン・ポー

国宝レベルの頭脳を持つが、人とのかかわり方が下手なティリー・ブラッドショー

そんな問題児2人に頭を抱えながらも、彼らを信頼しバックアップするステファニー・フリン

この3人を中心に物語は進むのだが、何より個々のキャラクターが魅力的すぎる。

逆にこの3人を忘れろという方が難しい。

もちろん他にも登場人物は多いのだが、それぞれの個性がはっきりしており、

下手すれば、母国の小説よりも読みやすいと感じる事がある。

しかもズルいのはそれだけではなく、小説の区切り方が素晴らしい。

一つの章が基本的に短く、

その章の終わり方が、次の章を読まずにはいられない終わり方をするので、

「ここまで読んだら、今日は寝よう」と思いながらキリの良いところまで読み進めようとするのだが、

「んー!気になる!あと一章だけ…」と、

気が付けば早朝を知らせる、小鳥の鳴き声を聞く羽目になる。気をつけろ。

そして私が何よりも最高!と感じるのは、ポーたちの掛け合いだ。

洋画や海外ドラマが好きな人は思い当たることがあるかもしれないが、

海外作品特有の小粋なジョークや、くすっと笑えるやり取りが、

絶妙なタイミングで度々現れる。

おかげで比較的残虐な事件の話なはずなのに、

重くなり過ぎないようになっている。

海外ミステリ?どうせ読みづらいんでしょ?

私には向いてないと思うなぁ…。

という気持ちを抱えたそこのあなた。

ぜひ一度騙されたと思って手に取ってほしい。

④有限と微小のパン/森博嗣

◆あらすじ

「F」から始まり今ここに終結、そして拡散?
萌絵たちが訪れたテーマパークで次々と起こる不可解な事件の背後には。

日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴンの事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は……。S&Mシリーズの金字塔となる傑作長編。

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『すべてがFになる』から始まる、S&Mシリーズ10作目の最終巻。

私はこのシリーズに出会ってから、初めて読了後のロスを味わった。

こちらの本も上記『ストーンサークルの殺人』同様、

登場人物たちの、なんと魅力的なことか。

どこか気だるげだが、素晴らしい観察力と分析力を持つ、ヘビースモーカーな犀川創平

美人で大富豪、行動力の塊で、犀川先生らぶずっきゅんな西之園萌絵

この2人の関係性と、なんとも品のある会話だけで、白飯一升は食える。

もちろんシリーズを通して様々な登場人物たち、準レギュラーメンバーも、

1人残らず魅力的すぎるのだ。

まだシリーズを読む前、友人に「これ面白いから読んで!」と言われた時、

「理系ミステリー?ええ…絶対難しいやつやん…」と、

全然乗り気にならず、しばらく積読の山に埋もれていたのだが、

世間の絶賛の声を何度も見かけ、渋々ページを開いた。

正直小難しい話が度々出てくるので、「やっぱりな…」の気持ちはあったが、

気が付けば一気読みしていた。バチくそ面白かった。

ちなみに、今でも100%理解はしていないということを理解している。

その集大成でもある『有限と微小のパン』。

今までの登場人物たちが、次々と登場してくるだけで胸が躍り、

そして真賀田四季博士の再登場には、思わず声が出た。

以前Xで見かけた、“♯最悪だけど最高な悪役が出てくる本”というタグだが、

私はぶっちぎりで真賀田四季博士だと思う。

世の悪役は、ぜひ彼女を見習ってほしい。残忍さと品は同居できるということを証明した女だ。

そんな彼女と犀川先生の、最後の二人きりのシーンは、

額に入れて部屋に飾りたいくらいに儚くて、危なげで、難しくて、美しい。

そう、美しいのだ。

美しいなと感じる作品にはいくつも出会ってきた。

しかしこの『S&Mシリーズ』の美しさは、

他では味わうことのできない形の美しさがある。

こいつ何言ってんだ?と思われるかもしれない程に抽象的だが、

この作品こそ「読まねば分からない」、そんな魅力があると思う。

だから読め。とにかく読め。

今回はここまで✍

やっぱりミステリは最高だ。

ria